トレーサビリティとは

ことばの意味
トレーサビリティとは

トレーサビリティとは、製品が「いつ・どの材料・部品・工程・図面で作られたか」を記録し、後から追跡できる状態のことです。製造業では、品質保証・不具合対応・リコール対応の基盤になります。

製造業で品質問題が起きたとき、最初に問われるのは「どの製品が、いつ、どの部品・ロットで作られたか」です。これを後からたどれるかどうかが、被害の範囲と対応の速さを決めます。トレーサビリティは、この「たどれること」を担保する考え方です。

「追跡できる」が守るもの

たとえば、ある協力会社から仕入れたネジに、強度不足の不良ロットが混ざっていたとします。

このとき追跡できる会社は、「その不良ロットを使ったのは、3月に出荷した製品の、このロットだけ」とすぐ特定できます。回収も客先への説明も、その範囲に絞れます。一方、追跡できない会社は「いつ、どの製品にそのネジを使ったか分からない」状態に陥ります。こうなると、念のため出荷した全製品を疑うしかなく、回収の範囲も対応コストも一気に膨らみます。たどれるかどうかが、「不良の範囲だけをピンポイントで対応できる」か「どこに使ったか分からず全製品を疑うはめになる」かを分けるのです。トレーサビリティは、問題が起きたときの被害を最小限にとどめる保険のようなものです。

記録が散らばると、追跡は成り立たない

トレーサビリティは、図面・部品・版・工程・ロットの記録が、製品を軸につながっていて初めて成立します。

逆に言えば、これらの記録がメール、Excel、紙の伝票に散らばり、しかも「あの案件のことは、あのベテランに聞かないと分からない」という状態だと、いざ追跡しようとした瞬間に止まります。情報を構造化し、製品を軸にひもづけて残しておくこと——属人化した記録を、誰もがたどれる組織の形式知に変えておくことが、トレーサビリティの前提です。

たどるための記録を残す

トレーサビリティは、いつ・どの部品やロットで作ったかを後からたどれることを指し、品質問題が起きたときの対応範囲を左右します。図面・部品・変更履歴を構造化して残すことで、こうした追跡の土台となる記録を支えるのがARCHAIVEです。どこに使ったか分からず全製品を疑う、という事態を避ける方向に働きます。

よくある質問

Q.トレーサビリティと構成管理はどう関係しますか?
構成管理が「どの製品がどの構成でできているか」を保ち、トレーサビリティはそれを使って「実際に作られた製品を追跡」します。構成管理は追跡の前提です。
Q.中小製造業にも必要ですか?
取引先からトレーサビリティを求められる場面が増えています。記録が属人化・分散している会社ほど、構造化から着手する価値があります。